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IQの高い子どもはベジタリアン志向強い

ヘルスデー:世界の最新健康ニュース
[2006年12月21日配信]

提供: ヘルスデージャパン

IQ(知能指数)の高い子どもは将来、ベジタリアン(菜食主義者)になる傾向が強く、その結果として心血管疾患のリスクも低いという報告が、英医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に12月15日掲載された。

英サウサンプトンSouthampton大学MRC疫学情報センターのCatharine Gale氏らは、10歳のときにIQ検査を受けた30歳の男女約8,200人のデータを収集。10歳時に高IQだった人は、低かった人に比べて30歳の時点で菜食である率が高かった。

対象者のうちの4.5%が菜食で、そのうちの2.5%は動物系食品を一切摂らない完全菜食主義、33.6%は魚や鶏肉も食べる緩やかな菜食主義であった。厳格な菜食とそうでない菜食の間にIQの差はみられなかった。女性や、社会的地位や教育水準が高い人にベジタリアンが多い傾向があるが、これらの因子について調整した後もなお、IQはベジタリアンになることの有意な予測因子であった。

Gale氏によると、知能の高い人ほど健康的な食習慣をもつ傾向があるという。菜食は、コレステロール低下、肥満や心疾患のリスク軽減をもたらすことが最近の研究で示されている。子どものころIQが高い人の後の心疾患リスクが低いのは、これで説明できるという。別の研究からも、知能の高い子どもは大人になってから健康を気づかう傾向が強いことがわかっており、今回の研究が、IQの高さと健康的な生活習慣との関係を裏づける新たな証拠となるとGale氏は述べている。

しかし、対象者がベジタリアンの親の下で育ったのか、家庭で日常的に肉を含まない食事が出されていたか、10歳の時点で菜食中心の食生活を送っていたか、子どもの両親の考え方や、子どもを菜食主義に導く何らかの出来事が過去にあったかどうかなど、この研究には不明瞭な部分が多く、これですべてがわかるわけではないという指摘もある。

これに対し、菜食と健康との間には強い結びつきがあるという専門家の声もある。菜食を実行するキリスト教の一派セブンスデー・アドベンチスト教徒を対象とした研究では、この教徒で主な慢性疾患のほとんどの罹患率が低く、寿命も長いことが示されているという。このほか、知能、教育水準、社会的地位の高さと健康との相関を示す強い証拠もあるとのこと。

HealthDay News 12月15日

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